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「幻の漂流民・サンカ」 と 傀儡子(くぐつ)ジプシー説

幻の漂泊民・サンカ (文春文庫)幻の漂泊民・サンカ (文春文庫)
(2004/11)
沖浦 和光

商品詳細を見る


内容紹介
一所不住、一畝不耕。山野河川で天幕暮し。竹細工や川魚漁を生業とし、’60年代に列島から姿を消した自由の民・サンカ。「定住・所有」の枠を軽々と超えた彼らは、原日本人の末裔なのか。中世から続く漂泊民なのか。従来の虚構を解体し、聖と賎、浄と穢から「日本文化」の基層を見据える沖浦民俗学の新たな成果。

サンカとはwiki ←クリックどうぞ

サンカは独特の隠語を喋り、神代文字に関係のあるサンカ文字を使用し、農耕せず、定住せず、政治権力に服従しないなど、大和民族とはあきらかに文化が違っていたと信じる人が多いが、その特徴とされる事柄の多くは、三角寛の創作が根拠となっている。

とあるように一部「サンカ」と言えば自由の民であり独自の文化を持ちというロマン溢れるイメージも持たれているが、それは三角寛の創作由来であって事実とは異なるらしい。

三角の山窩小説三部作とは『怪奇の山窩』『情炎の山窩』『純情の山窩』であるが、「三角による山窩(サンカ)に関する研究は、現在でも多くの研究者が資料とするところだが、実は彼の創作である部分がほとんどであり、小説家としての評価は別として、学問的価値は低い。これはその後、多くの研究者により虚偽であることが証明された」とある。

本書でも同様の事が書かれており、サンカに幻想を抱く者に取ってはガックリくる内容だ。
サンカの由来としては近世難民説が取られており、wikiでも本書著者の名を挙げてロマン否定論の筆頭に挙げられている。
「江戸時代末期の飢饉から明治維新の混乱までの間に山間部に避難した人びとが多数を占めるであろうという考察。サンカに関する記述が、近世末になって、天保の大飢饉が最も苛酷であった中国地方で登場することから、沖浦和光が主張している。」

他に原日本人・縄文人であるとする古代難民説、戦国時代の難民・遊芸民であるとする中世難民説もあるが本書は一貫して飢饉による近世の難民であるとして、サンカへのロマンを打ち砕いてくれる

けれどこれも著者・沖浦の説であって確定したものではない。そもそもサンカは何も残さない漂流・自由民であるから証拠など残らないのも当たり前と言えば当たり前。

本書を読んでいて思い出したのが、昔大学の民俗学で聞いた傀儡子(くぐつ・かいらいし) (wikiクリックどうぞ)のこと。
教養課程でたまたま受けた民俗学、講師独自の見解を披露してくれて大変に面白かった覚えがある。
その先生の説によると傀儡子(くぐつ)というのはジプシーと同源であるらしかった。
今は欧州でロマと呼ばれるジプシーはインド北部発祥だが、同源の集団が東へ東へと辿り着いて日本列島へ渡ったものが傀儡子である、と。
容貌も日本人とは明らかに違っており、その芸能集団が全国を廻っていたであろうと言う。

この傀儡子とサンカとは関連性が無いかと検索してみたが「サンカとの繋がりを示唆する研究者もいる」とだけ。
不明であるから余計にロマンを掻き立てられるものではあります。



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