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インディアンの見た幕末の日本 「マクドナルド・日本回想記」

マクドナルド「日本回想記」―インディアンの見た幕末の日本 (刀水歴史全書 5 歴史・民族・文明)マクドナルド「日本回想記」―インディアンの見た幕末の日本 (刀水歴史全書 5 歴史・民族・文明)
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↓参考書籍
英学の祖―オレゴンのマクドナルドの生涯 (東西交流叢書 (6))英学の祖―オレゴンのマクドナルドの生涯 (東西交流叢書 (6))
(1997/11/14)
エヴァ・エミリ・ダイ

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 マクドナルド「日本回想記」
主要目次
1章 はじめに―19世紀北米コロンビア川流域のインディアンと白人
 2章 生い立ち
 3章 青春時代―レッド・リヴァからセント・トーマスへ
 4章 日本渡航の志
 5章 ハワイ諸島から日本へ
 6章 焼尻島から利尻島へ
 7章 利尻島にて
 8章 利尻島から宗谷へ
 9章 宗谷から松前へ
10章 江良町村から長崎へ
11章 長崎へ上陸
12章 長崎奉行所
13章 長崎での監禁生活―日本最初の英語教師
14章 座敷牢から見た日本
15章 後日談
16章 私の果した役割―自己評価と日本人による評価
17章 思い出の人びと




ラナルドは鎖国時代の「神秘の国・日本」への憧れを抱き、捕鯨船水夫として日本海側まで辿り着き捕鯨母船から離れ遭難者を装い日本侵入を果たす。
もちろん日本に於いては不法侵入者であり取り調べののち監禁生活となる。
けれど一般的イメージとしての「監禁生活」「奉行取り調べ」「座敷牢」だけの生活ではなかった。
ラナルドは事の初めから日本人から「肝っ玉の太いやつ」と呆れ交じりの賞賛と敬意を得る。
母船から意図的に離れたという冒険的気概に対して、そして自らの信念を曲げずに長崎奉行に対して「頭が高い」まま接したことで、役人や奉行自身から一種の賞賛と承認を得る。

言葉が通じない中で日本人とラナルドとの間に信頼関係が生じていく様子が面白い。

検分のため松前に移送された時にラナルドを見た役人が最初に発した言葉が「日本人じゃないか!」。
母方祖父が北米インディアン・チヌーク族族長であり、父方はアイルランド系の混血、本書にも載っているラナルドの容貌を見ると確かに幕末~明治人にありがちな、ちょっと濃い系の日本人と殆ど変らないので役人が驚くのも当然か。
母国において混血であることに葛藤があったラナルドはこの役人の言葉が嬉しくイコール受容されたと感じたようだ。
こういう些細な事の連続からもラナルドは「囚人」でありながらも日本・日本人への信頼を深くしていく。

待遇はラナルド本人が「貴族階級になったかのよう」と言うほど好待遇であった。
自分がオープンで品性を良くしようとしたからだと書いているが、日本側の資料では当時の他の漂着欧米人に対しても同様に接遇していた。
面白いのが、役人が「脱走しようとした不法入国者の誰それは首を掻っ切られたぞ」と警告するのだが、実際には首を切られたという本人は好待遇を受け生きていた。
他にも似たような事が書かれてあるが、当時の日本人は警告のためだろうが現実離れした厳罰を課したとデッチアゲる癖があったのではないかと思ってしまう。
ラナルドも当時のアメリカでは日本に侵入しようとすればとんでもない悲惨な目に合わされると噂されていたと書いている。
実際は欧米人には肉食も工面してやるし、(キリスト教は禁教であったはずなのに)ラナルド所有の聖書を持つ時には大切に両手で捧げ持ち、座敷牢には祭壇らしきものまで作ってやっている。
キリスト像の「絵踏」は為されたが、プロテスタントのラナルドは何の抵抗も無く踏んでいるのも面白い。



ラナルドに拠る日本人論がかなり興味深く長くなるのでまた後日取り上げます。




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